2019年3月8日金曜日

套路の練習

馮志強老師との練功の際には幾人かの弟子と練功する場合もあればマンツーマンで練功する場合もありました。マンツーマンの練功の際には自分が横を向けば老師が横に移動され、後ろを向けば後ろに移動されるという具合でした。その度に恐縮して私が移動しようとするのですが、手で制されて老師が移動されるという具合でした。それで何を学んだかたというと呼吸と動作だと今になって分かります。段々と練功の回数が増すに従って呼吸と動作が似てくるのです。それは目に焼き付いているし、体に染みついているので忘れられないものとなってきます。こうして套路が次の世代に受け継がれていくのであろうと思います。従い、当時馮老師に見せて頂いた色々な技等も、その時出来なかったものが、ここに来て出来るというようなものも少なくありません。あんな気で人を動かすなんで老師は出来ても自分は出来ないと思っていましたが、それらの事も自然と出来る身体になってくるのですから不思議です。しょっちゅう老師にお会いして練功すれば、何が違うといって、呼吸と動作が染みついて来るのが最大の違いです。年に一二回お会いするよりも、年に5-6回お会いする方が良いでしょうし、毎週お会いできれば更に良い事になります。ある北京陳式の大会でアメリカから来られた学生の方が北京の弟子や学生はなんで功夫があがるのが速いのかという話をしていた事がありますが、その内の一つが套路の練り方にあると言えるでしょう。

2019年3月1日金曜日

混元球と連動する混元太極拳

混元太極拳は陳発科老師と胡耀貞老師のお二人が太極拳の高い境涯は混元球の回転であると言われてきましたが、実際套路を練っていると混元球と手や動作が連動し始めるように出来ています。この回転を得るにはかなりの練りこみが必要で最低でも3年位はかかります。3年で全ての動作で混元球が体感できるというものでなく、少しずつ体感していきます。弊会のベテランでも全ての箇所で連動できている訳ではありません。然しながら連動し始めると色々な箇所が連動し始めます。これを読んでいる方は本当にそうなのかと疑問を持たれる事と思いますので、今後混元球の連動の箇所と連動すればどうなるのかを動画で少しずつ上げていきたいと思います。その動画を一つの参考にして内面を練っていって頂ければ幸甚です。又混元球以外に開合によって威力が出ている箇所もあります。動作の開合から意念の開合で力が伝わっている箇所もありますので、これらも動画で少しずつ上げていきます。なぜこのような動画を上げるのかと言えば、申し訳ありませんが、混元太極拳において動作のみが混元太極拳で中身が混元太極拳になっていない方が散見されるからです。と言っても中々理解できないでしょうから動画にて混元球が動き始めるとどういう事が起こり、どういう事ができるようになるのかを分かりやすく解説する事が皆さんの道標として必要かと思うこの頃です。それがひいては馮志強老師や陳発科、胡耀貞両祖師に報いる事かとも考えています。