2019年7月1日月曜日

陳式太極拳の内功法

太極拳を伝える際に套路を教えれば教えられる方も満足し、誰々の太極拳が伝わったと考えるが、実際は套路は太極拳の重要な一面ではあるが、全面では無いと考えます。やはりもう一方の重要な練習方法は内功法と推手と思われます。この中で内功法に関しては混元太極拳は胡耀貞老師から伝えれられた心意拳の内功法も伝わっていますが、陳式太極拳もそれに劣らず膨大な功法が伝わっています。私が知る限り、約40の内功法が伝わっています。又棒気功、尺気功を入れれば棒尺だけで20以上が伝わっています。従い、60以上の内功法が陳式太極拳から伝わっているという事です。それだけ内功法を重視しているという事でしょう。陳発科老師は陳式太極拳は陳さんの物でも楊さんの物でも無いと言われ、性名に関わらず拝師の弟子には奥義を伝えていったと言われています。従い、これらの膨大な内功法が我々に伝わる事になったのだと思います。
因みに内功法の面白い処は身体が熟成されてくるに従って、妙に身体が納得するという事です。これは非常に不思議な事です。皆さんも是非陳式太極拳の然るべき先生に付き、内功法を味わわれると良いと思います。例えば纏絲内功ならば纏絲に沿って気が身体を貫く感覚が生じてきます。築基の内功なら丹田が熱くなり、足がしっかりと地についてくる感覚が生じてきます。ああ、これが陳式太極拳の内功法なのだと実感できます。非常に面白い世界ですが、これはある程度練らなければ得られません。
一方、混元太極拳は両者の内功法を取っていますので、正に膨大な量となります。従い、馮志強老師はこれらの内功法を整理し、混元内功として纏められました。又、それを内部テキストとして書籍とし、CDもセットで弟子に配布されました。後進の我々に取っては非常に有難い事です。このような作業が無ければ膨大な内功法を前に途方に暮れる事、間違いありません。最近はこれら先人の血と汗の結晶をきちっと身体で受け取って行かなければ申し訳無いとの気持ちで一杯です。

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