2002年2月3日日曜日

北京秘話(大成拳vs陳式太極拳)

 これは実際その場にいた人から聞いた話なのですが、昨年か一昨年に亡くなられた王選傑と馮老師の話です。この王選傑という人は意拳(大成拳)の名人の言われた王向郷の弟子で意拳を名乗っている人達とは別に大成拳を名乗っており、師は同じ乍らお互いの交流は無いとの事です王選傑は実戦に長けているという事で知られており、大成拳に関する著述もあるようです。ある時北京の民間武術家の各流派のトップが集まる会議がありました。民間武術家とは所謂体育委員会に属さない、伝統流派の事です。この時に、居並ぶ各流派の御偉い方を前に、王選傑氏は「北京の武術界には名師はいないようですね」と発言された。この意味する処は北京には強い武術家はいないとの事。一瞬会場はシーンと静まりかえったとの事です。誰も発言する人はいなかったようです。それは王老師が実戦で有名なので、触らぬ神に祟りなしと思ったのか、あるいはそれに反論するのは大人げ無いと思ったのかわかりません。その時馮老師が立ち上がり「試しますか?」(中国語では試一試(口馬)と言われた由)と言われ皆ギョとしました。正に一触即発の事態です。周囲の人間が一斉に止めに入ったので結局戦いにはならなかったとの事でした。それ以来王老師と馮老師はあまり仲が良くないとの話を聞いています。