2022年8月9日火曜日

意が先行する套路

 意が先行する套路というのも変な話ですが、太極拳はそもそも意を用いて力を用いないと言われており、意で套路を打つのが当たり前なのです。ところが日本では意で套路を打つ事が当たり前になっていない事が大きな問題と言えるでしょう。そもそも意念という概念が日本にはありません。従い必然的に套路を意念で打つ事なく単なる運動になってしまっている訳です。もう一つの原因は制定拳にあると言えるでしょう。制定拳は動作の角度等を煩く言う人は多いみたいですが、意で打つ事をやかましく言う人があまりいないと聞いています。あまり意念を重視していないものと推察されます。違っていればごめんなさい。
套路は意が先行し、それに従って氣が動き、最後に体が動くように打つ事が重要です。太極会ではこれを達成する為にまず指で人を動かす事を練習しています。指だけで意を用い、相手を動かす練習です。これが出来るようになれば意で套路を打つ意味も分かるし、又できるようにもなります。そうすれば氣が全身を駆け巡り健康体を作り出す一助にもなります。太極拳の健身効果が単なる運動から来るものではなく、一つには氣を全身に巡らす事によってもたらされるものだと分かります。馮志強老師は晩年椅子に座って套路を打たれており、そう私にも仰っていましたが、要は意で套路を打っていたのです。