2021年2月1日月曜日

北京陳式太極拳の楽しみ方

 以前どこかで書いたと思いますが、馮志強老師はこの陳式心意混元太極拳は自分が創ったものでなく、陳発科老師が創ったものだと仰いました。陳式太極拳の套路を7か所変えたのは陳発科老師で自分は陳発科老師の指示に基づき他の箇所を7か所変えて創ったと言われました。陳発科老師が徐々に陳式太極拳を改良され、改良される度に馮志強老師にお伝えしたそうです。ある時馮志強老師は改良される前の套路を練っていた処、陳発科老師に後戻りする必要は無いと叱られたと言われました。それ以降馮志強老師は自分で練る時はこの改良された套路を練ったそうです。但し、対外的には従前の套路で表演等されていたそうです。発科老師の指示に基づいてその他の7か所を改良した後、世に出したと言われています。従い、陳発科の弟子は従来の北京陳式の套路を教えられた人はそれを練り、陳式心意混元太極拳を授けられた人はそれを練る事になります。その他の地域で伝えられている陳式太極拳の套路を練る事はありません。套路以外では陳発科老師から伝えられた各種功法を練る事になります(これら功法は拝師の弟子にしか伝わっていません)。そうするとどういう事になるかと言えば徐々に陳発科老師、馮志強老師のフィロソフィや身体感覚を追体験するようになってきます。陳式に関する套路を全て練った場合がどうなるかは分かりませんが、逆に一人の宗家の套路を練り込むとその人に考え方も姿を現してきます。これが北京陳式太極拳の面白い処と言えるでしょう。身体を通して宗家の考え方が分かるのは何とも面白い事ではないでしょうか? 太極拳を通じ太極の理を学ぶ事も大きな楽しみであると同時にそれを体現された宗家の考え方が伝わってくるというのは1つ食べて2度美味しいという感じです。この感覚は多くの人に味わって貰いたいと考えています。