2020年12月31日木曜日

勁と気の出し方

私が主催している太極会では勁が出ているか各招式毎に検証しています。実際にワザを掛け合って相手が動くかどうか確認しています。ですので上級者で勁が出ていない事はあまりありません。勁が出ていないと自分自身がワザをかけた時に思い知る事になるわけです。然し乍らこのような勁を検証していない場合は往々にして勁が出ておらず太極ダンスを踊っている事が少なくありません。日本で簡化太極拳を行っている人の多くは太極ダンスとなっていますが、それはそれでご本人が満足であれば問題はありません。そもそも教える方に勁が出ていない場合が多いので仕方が無いでしょう。但し、勁が出る本来の太極拳を打ちたいのであれば以下、勁の出し方を御紹介します。
まず相手をゆっくり押してみる事とします。その際にお腹(丹田)から力を絞るように出してみて下さい。注意点は肩、肘の力を抜く事です。そうすれば相手はゆっくりと動くはずです。これを繰り返し行えば押す事に関しては勁が出るはずです。太極拳として套路を打つには更に気を用いる事が重要です。今言った方法で勁が出れば今度は押す方向に意念(強い意識)を出すと気が出ます。そうしてゆっくり押すと相手は先程より大きく動くはずです。
こうして一つの動作に勁と気が出るようになるとその他の動作も順次同様の方法で変えて行って下さい。自分で一つでも勁が出るようになると勁が出ていない箇所が徐々に気づくようになります。こうして太極拳となっていきます。以後は勁と気を大きく強大にする方向に套路を打つ事になるでしょう。

2020年12月2日水曜日

外から見た混元太極拳

 ある時道友のT氏ととある表演会で偶然一緒になった。偶々その表演会で混元太極拳を表演される方がおられ小生も見学していたが、その時そのT氏は混元太極拳は身体を練る套路ですねと言われた。套路は全てが身体を練るものですが、T氏はそれは100も承知で言われたと思う。即ち、練るのに非常に適しているという意味と本人の套路の練度が如実に表れるという意味かと感じた。確かに纏絲勁は満載であるし、それを混元球の上に載せて使う箇所も多くあるので本人の段階が今どこにあるかは本当に分かりやすい。但し、練る方からすると非常に難解かもしれないと思う。正しい指導者がいないと殆ど明後日の方向に行ってしまいかねない。 小生が北京で馮志強老師に混元太極拳を習っていた頃、他の兄弟弟子は絶対に口出しをしない。なので小生の套路が間違っているかどうかは分からない。ある時に地壇公園で練習後に師兄弟に套路に関する質問をした事があるが、馮志強老師が教えてられるからとの理由で答えられなかった。唯一張禹飛老師は小生の誤りを的確に指摘して頂いた。それがなければ混元太極拳を正確には理解できなかったと確信している。全ての動作を明勁で示して頂いたから現在楷書の混元太極拳を伝えられると思っています。

太極拳で大事な事は

①太極を理解し、体現する。

②勁を正しく理解する。

③一定の功夫がある。

④聴勁ができる

ではないかと思う。