2022年6月5日日曜日

「散」と「精」

 気功や太極拳を打つ時は「散」になってはいけないと言われている。「散」とは意識が拡散した状態です。「散」で気功・太極拳を打つと意識が凝縮されていないので氣が思ったほど動かないという現象になります。要は内功(気功)にしても太極拳にしても意念で氣を導いていくので、意念は鋭く凝縮している必要があります。この状態を「精」と言います。身体がファンソン(リラックスして膨張しているような状態)となる必要がありますが意念(強い意識)は鋭く、強くなる事が基本です。これが套路を打つ際には一番大事な事ですが日本で太極拳をやって居られる人が一番欠けているのもこの「精」の状態です。そもそも意念という概念が日本に無い事が根本原因だと思われます。本来意念で氣を導き内功の一環として套路を打つべき処を単なる運動に貶めているのが多く見られる弊害です。このような套路の打ち方を馮志強老師は労働と言われていました。この労働を早く脱すれば太極拳はみるみる上達していきます。皆さんもこの事に注意、注力される事をお勧めします。