2017年7月13日木曜日

北京で知り合った女性拳士の思い出

北京に滞在していた頃週末は大抵、張老師の元で練習をするか、馮老師に教えて頂くかのいずれかで土日は過ごしていました。張老師で練習しているある時期に頻繁に練習に来る中年の女性拳士がいました。馮志強老師の高弟を渡り歩いているような様子で、陳項老師、唐跃新老師等の名前が出てきており、その頃は張老師の練習に勝手に参加するような有様でした。言葉も態度も上から目線であまり良い印象は持っていませんでした。その頃は武器、特に剣を学びに来ており張老師も仕方なく教えている様子でしたが教えても教えても忘れるので、傍から見ている限りでは覚える気があるのかと思うような感じでした。ところが張老師も嫌気がさしたのか、彼女の剣を私が教えるようにと、こちらに振られてきました。今までは他人事でしたが、他人事では無くなり大変時間をかけて剣を教えた経験があります。剣を教えている合間に推手をしようとその彼女から言ってきて推手をしましたが、この推手で手を合わせた時に彼女が只者では無いと悟りました。功夫があり、柔かい推手でした。套路も重い套路を打っていました。先程も述べたように上から目線でしたが、小生の剣はなぜか評価しており、あなたの剣は良いと言って貰いました。従い、剣を教わる時は割と素直に習っているといった具合です。それにしても中国は恐るべしと思ったのは、こんなおばちゃんでもかなりの功夫を持った人が何気に存在するといった事でした。日本ではこれ程の功夫を持ったおばちゃんが存在するのかを考えると、その層の厚さに驚くばかりでした。

2017年7月1日土曜日

站桩(zhan zhuang)Ⅱ

站桩とは站椿功の事です。別名立禅とも言われ、立つ事により内功の力を養う功法です。この站椿功を続けると押されても動かない力が養われ、拳を打つと強い威力のある拳が打ち出されます。要は太極拳で言う処の功夫が上がるので、非常に重要な功法と言われています。従い、これを如何に効果的に行うかが非常に重要になってきます。站椿功は通常お臍と反対の命門を外側に出し、意念を丹田に集中させて行います。この時他の事を考えていては効果は上がりません。全ての雑念を捨て去って丹田に意識を集中させますが、往々にして時間が長くなると雑念が入って来て站椿功の効果を半減させるどころか殆ど無い状態となってしまいます。中国では太極拳を行うには悟性が大事だと言われるのはこの事を指しています。これを打破する方法として小生は站椿している人の丹田から気を小生の意念で引っ張り出す事をやっています。太極会の人は既に皆さん経験されていますが、意念が丹田に集中されていない場合、気が引っ張り出される事により、その人は前に引きずり出される事になります。具体的には前に歩き出す事になるか、歩かないまでもお腹が引っ張られる感覚となります。最近、ある太極拳の団体との交流会でもこれを御見せしましたが、これを行うと皆さんの站椿は格段に良くなってきます。小生に気を引き出されないようにビシッと集中されるので站椿の効果が短い時間で上がる事になります。その結果功夫が上がり、人に押されても動かなくなります。これはどのようなメリットがあるかと言えば突き、蹴り等が地の力を使う事が出来るため威力が大きく増す事となります。