2017年3月27日月曜日

太極尺

太極尺気功は太極棒気功と並び、陳式太極拳では古くから伝えられている功法です。太極棒気功は初心者の段階で練る事は弊害がありますが、太極尺気功は初心者が練っても弊害はありません。というのも尺気功は基本的に築基の気功だからです。この練り方として、幾つかある個々の招式を全て通す事はせず、最初は一つを多く練る、例えば100回くらい毎回練り、それを一週間位続けるようにします。それぞれの感触がある程度掴めてきたら次の功法に移りそれを全て終えたら通しで練るようにします。

2017年3月22日水曜日

遠藤靖彦先生の陳式太極拳

遠藤先生は知る人ぞ知る日本に於ける陳式太極拳の草分け的な存在の人です。日本でも中国でも太極拳の大会で優勝された御経験をお持ちの方です。陳小旺先生に習った後、馮志強老師に就いた方で馮老師の混元太極拳は習って居られないが北京陳式を習われた方です。昨年末初めて遠藤先生の陳式太極拳を拝見する機会に恵まれました。先生の太極拳は表面は混元では無いのですが、体の中が混元の動きになっているもので、私から見れば正に陳式心意混元太極拳でした。その功夫も凄いもので久々に感動しました。
太極拳は面白いもので、外見の動きが一緒でも中身が全然違う事もあれば、外見が違っていても中身が同じ事もあります。例えば混元太極拳を行っている人で中の混元の動きが外の纏糸の動きに現れていない人も多々見受けられます。本人は混元太極拳をやっている積りでしょうが実際は全くそうなってないケースは非常に多いものです。翻って遠藤先生の太極拳は馮志強老師が再現されていると思う程、馮老師に近い動きでした。この点は驚きでした。

2017年3月10日金曜日

太極棒

北京陳式に於いて太極棒は何を練る為にあるのかと言えば、主に纏糸勁を練る為にあります。実際ある一定程度の内気が出てきて太極棒気功を練ると内気が纏糸の運動をしながら動いている事を感じる事ができます。これは纏糸内功と同じでただ捻じっているだけでは出てきません。表面は螺旋運動となっていますが、丹田から出てきた気が棒の螺旋の動きに合わせて螺旋に動き、その勁が出てくる事になります。この練功の中で大事なのは放松と意念です。この練功法は初学者が行うと太極拳が嫌う僵力(ジャンリ)というこわばった力が出易いのである程度の内気が出てきて、放松が出来て来るようになって初めて行います。馮志強老師は日本では練功者の程度に拘わらず、教えていましたが、実際中国で教える際には一定のレベルで無いと教えて居られませんでした。

2017年3月2日木曜日

太極混元内功

陳式太極拳に伝わる太極混元内功について、巷間に伝わる誤解を解く意味で少し解説を加えたいと思います。私の太極拳の師匠である馮志強老師にある時、太極拳に関し種々お伺いしたい事がありますと申し上げると老師は半日を取って頂いて、御自宅で色々お伺いする事になりました。1対1で半日取って頂いたのは2-3回ありますが、その時にこの混元内功の話になりました。この気功は陳式太極拳から来たものか、心意拳から来たものかと質問しました。答えは両方の築基の気功を集めたものとの事でした。但し、いずれの拳でも外傳しない内傳すべき功法との位置づけは同じでした。これはどこかで述べた事と思いますが、陳照奎老師にはある出張から帰ったら伝える積りだったが、その出張で亡くなってしまったと言われていました。その後馮老師は拝師の弟子以外にも教え、外傳はするなとの教えを破ってしまわれる訳ですが、これはご自身が体を壊した時にこの混元内功で回復した為、武術を目指す人というより一般の人を対象に広めた感があります。
扨、この内功を練っていて多くの方から言われるのは3年くらい経った時に風邪をひかなくなったとか、風邪をひいても酷い風邪にはならず、すぐ治ってしまう事です。熱が出るような風邪が無くなったという話も良く聞きます。通常風邪をひいたら免疫細胞の活性化させる為に熱が上がるので、熱が出る事は全く正常な症状で悪くは無いのです。しかし熱が出ないという事は免疫細胞を大量に活性化する必要が無いくらい軽微な風邪で終わっているとも思えます。ある時混元内功を練っていて起きた変化を生徒に話して貰ったら色んな変化が起きている事が分かりました。ただ、風邪が引きにくくなるのは共通しているようでした。私の場合は手が常時熱くなっていますし、丹田も熱くなっています。丹田の場合人が私の丹田のあたりを触っても分かるレベルです。物理的にはこの2点でしょうか。私も殆ど風邪をひかなくなりました。これは本当に期待を超える太極拳からの収穫と言えそうです。そんな事は信じないという人は言われるのは勝手ですが、一度一定期間ご自分で練ってみられる事をお勧めします。