2016年10月27日木曜日

混元24式の仕掛け

混元24式に隠された仕掛けに気付くのは中級以降になってからとなります。
陳式太極拳に関する知識が無い人の為に説明すると陳式は比較的ゆっくりと柔らかく練る一路と発勁(中国では発力と言いますので以後発力とします。)を行う二路の2種類の套路があります。一路で力を蓄積し、功夫と呼ばれる力を徐々に身につけていきます。二路では一路で身に付けた力を爆発させて使う発力を多く使用します。この混元24式は一路をベースにしているというものの発力をさせる箇所が数か所あり、力が蓄えられると発力を行う事ができるようになっているのです。これは初級から中級にかけて通る一つの関門と言えるでしょう。 
その後中級になってから分かる仕掛けが纏糸の動きです。この套路には陳式太極拳では中級以降学ぶ纏糸内功が多く含まれているのです。纏糸の動きは陳式太極拳の特徴の一つで、多くの人は螺旋の動きと誤解しているものです。纏糸の力である纏糸勁はある程度内功を積まなければ出来ないものです。ある程度内功が伴ってくると中から(丹田から)力が伝わってくるのが実感を伴って理解できるものです。従い24式を練り続けていくと纏糸勁がでる部分が徐々に理解できるように編纂されているのです。 一つの套路でありながら段階を経て理解できる部分が違っており、末長く味わえる套路となっているのです。 陳発科老師の工夫が全て注ぎ込まれている套路だけあって、これらの仕掛けに身体が気付き始めると流石は凄い套路だと感動をもって理解できるのです。
馮志強老師は混元24式は初級から始めるが簡単な套路では無いと常々言われていました。その意味がかなり後になって分かった私ですが、その一つが上記内容です。