2022年4月1日金曜日

攻防の要諦

 太極拳の散手(組手)に於ける攻防の要諦は何かと問われれば

①2人での攻防も2人で1人の感覚で組手を行う事に尽きると思われます。

2人で1人とは太極拳で良く言われる「捨己従人」です。自分を捨てて、相手に従う、又は相手を受け入れる感覚になるという事です。この時何が起こるかという事ですが、2人の気が一体化されます。気が一体化されると相手の動作が自分の事のように分かってきます。この状態で相手と対すれば相手の動きが起こる前から相手の次の動作が分かるようになってきます。この相手の動きがないが、その機がある状態を「太極」と言います。要は太極をはっきり把握する事です。そうすれば相手の攻撃が容易にかわせたり受けたりできるようになってきます。又相手が突いたり、蹴ったりしてきても、それをこちらの手で受けいれるようにして受ければあまり触れずに相手の手が逸れていきます。あくまで敵対せず自分を捨てて相手も受け入れるようにする事が肝要です。こういう感覚で組手を続ければ次第に太極拳の組手が完成されてきます。

②自分を捨てて相手に従う状態となれば「聴勁」が磨かれてきます。聴勁とは対象を設けて聴くのではなく対象と一体となって聴くのです。この聴勁は無極を深める事と「捨己従人」によってレベルを上げる事ができます。無極の状態は必ず自分を捨てる状態となっています。この無極がいかに深いかが勝負の分かれ目です。無極が深ければ深いほど聴勁の感度は上がってきます。これが次の迅速な対応に結びつくという訳です。

上記は言うは易く行いは難しです。要は練り込んでいくしかないでしょう。

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