2019年6月1日土曜日

功夫(コンフ)の上がり方

一般に功夫の定義は修練による力(底力)という事になると思います。然し乍ら太極拳では(特に馮老師の太極拳では)内気による力を指す事が一般的でした。その上でこの功夫を重視し、まずは功夫をつける事を目指すという練習方法で、実際弟子の功夫は格別のものがありました。さて自分を省みるに功夫は至って貧弱ではありますが、生徒を教えてみて、この功夫をつける速度に大きく差がある事に気付きました。勿論練習量が多い人は功夫が上がる速度が速いのは当たり前ですが、略々同じくらいの練習量であっても速度にかなりの違いがあります。又、同じ練習量にも関わらず、ある時急激に功夫が上がる事も多く目にしてきました。一体この違いはどこから来るのか、速度が速い人、遅い人、それぞれにどのような練習をしているか聞いてきて最近なんとなくその原因が分かってきました。まず站椿の形が大きく影響しているらしいという事です。正しい形になった途端に功夫の上がり方が大きくなるようです。特に命門に対する要求が満たされているかどうかが大きな要素と言えそうです。これが出来ていると功夫の付き方が速いと言えそうです。
2番目に意守丹田が出来ているかという事です。要は雑念なくできているかがポイントです。もしくは雑念が出ても直ぐに気が付き雑念を捨てられるかどうかがポイントと言い換えても良いかと思います。この辺の心の納まり方次第で功夫の上がり方がかなり違うようです。もし站椿功の際に雑念を追いかけていたとしたら、それは站椿功では無い事は明らかでしょう。外からみたら分からないように思う人もいますが、自分の心が澄んでくると案外、他人の心的状況も結構分ったりするものです。
3番目に功夫の高い人と一緒に練習しているかどうかも大事な要素のようです。功夫の高い人と一緒に練習していると功夫の上がり方が速いのは今まで北京でも見てきましたし、日本に戻ってからも良く目にする光景です。理由は良く分かりませんが、功夫の大きい人の気を貰うのではと考えています。

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